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【お知らせ】YouTubeチャンネル全国社会福祉法人経営青年会にて『すとく・こぶしネット』が紹介されました
全国社会福祉経営者協議会経営青年会のYouTubeチャンネルにて、崇徳厚生事業団の「すとく・こぶし認知症ネット」が法人や事業所、医療と福祉の垣根を超えた好事例として紹介されました。 企画・撮影・出演を崇徳厚生事業団グループの職員が行った力作です。是非動画をご視聴ください。 <第一部> <第二部> <第三部> -
【お知らせ】長岡西病院地域包括ケア病棟の開所式を行いました(医療法人崇徳会)
高齢社会の進展により、医療を一つの病院で完結するのではなく、地域内の医療機関や福祉施設が連携し、地域の皆さまが人生の最後まで住み慣れた地域で自分らしく生きることを支える「地域包括ケアシステム」の実現が求められています。 長岡西病院は、これまでも地域包括ケアシステムにおける基幹的医療機関としての役割を果たすべく尽力してきたところではありますが、さらにその機能を強化するため、地域包括ケア病棟を令和3年3月1日に開所しました。(部分開設。全面稼働は5月予定。) このたび、地域包括ケア病棟の開所を祝し、開所式を2月27日に開催いたしましたのでお知らせいたします。 <メディア掲載> 3月2日付新潟日報朝刊『長岡西病院、地域包括ケア病棟新設 高齢者らの自宅復帰支援』(Web版はコチラ) FMながおかブログ FMながおか日記『長岡西病院に地域包括ケア病棟が開設』 -
【お知らせ】田宮病院感染症対応臨時病棟完成記念セレモニーを行いました(医療法人崇徳会)
田宮病院(医療法人崇徳会)では、新型コロナウイルス感染症に対し、院内一丸となって様々な水際対策・対応を徹底して行い、院内感染の発生を阻止しております。さらに対応力の向上を図るため、今後、院内感染が発生するという事態に至った場合を想定し、旧棟中である9病棟を感染症対応臨時病棟として活用することとしました。 このたび、約2か月の工期を経て竣工を迎えたことを記念して、令和3年2月24日に「感染症対応臨時病棟完成記念セレモニー」を行いました。新型コロナウイルス感染症については、これまで行政をはじめとして様々な感染拡大防止対策が講じられており、予防接種も開始されることとなっておりますが、全国的に収束の見通しは未だ立っておりません。今後とも、患者様をはじめ皆さまの安全・安心を守るため、田宮病院としても継続して適切に対策・対応を行ってまいります。 -
『私の自利利他』vol.3 長岡崇徳大学 大学事務局教務・学生課(崇徳厚生事業団Letter令和3年1月号)
長岡崇徳大学大学事務局で勤務する猪浦さん 平成31年4月に中越地域初の看護大学として開学した長岡崇徳大学は、地域包括ケアシステムを担う人材育成の拠点となることが期待されている。 猪浦拓也(いのうら たくや)さんが長岡崇徳大学の大学事務局職員となったのは、開学を目前に控えた平成31年3月のことだった。 「教育関係の仕事に携わりたい。」 「病院看護師として働く妻の姿を間近にみていて、看護師さんたちを尊敬していた。」 看護大学が開学されることを知り、職員募集に応募した当時の心境をそう語った。 「先生方が思うように授業をしていただきたい」 猪浦さんが所属する教務・学生課の仕事は「先生が授業をする環境を整えることと、学生が勉学に励む環境を整えること」。実に端的に表現された言葉であるが、その一言に集約される教務・学生課の役割は広く深い。 学生達を指導する教員には、大学に所属する常勤教員もいれば、崇徳厚生事業団グループの病院などに所属する学外の教員もいる。この2年間、猪浦さんが特に尽力してきたのが、常勤教員はもちろん学外の教員も授業をしやすい環境を整えることだった。 授業の環境を整えることの困難さについて、「授業実施を承諾していただいていたとしても、どんな学生達の雰囲気で、どんな場所で、どんな環境でやるのか、不安に思っている先生もいる。その不安は、必要な情報を提供することで出来るだけ取り除いて、先生方が思うように授業をしていただきたい。ただ、こちらも先生がどんな授業をするのか、どんな準備が必要なのか等が最初は全く分からないので、そこの調整はやっぱり難しい。」と話す。 開学したばかりの長岡崇徳大学で授業をしたことのある教員は、もちろん一人もいない。しかも、カリキュラムの構成上、学外の教員が担当する授業の多くが2年次までの授業に集中していた。2年間で30人以上もの学外の教員を迎え、環境を整えていくなかでは反省もあったとのこと。「なんとかピークを乗り越えた」と安堵もしている様子だが、今でも悩みながら環境を整えているそうだ。 また、新型コロナウイルス感染症は、その“環境を整えること”をより険しいものにした。「医療機関や福祉施設はそれ以上に大変だと思う」と配慮しつつ、大学でのコロナ禍対応については「とても苦労した」と言い切る。 新型コロナウイルス感染拡大により対面授業が出来ない状況下において、学生達の学びを保障するため、長岡崇徳大学はWeb配信による授業実施を決断した。ただでさえ、教員が授業しやすい環境づくりには苦慮しているが、Web配信による授業は、対面授業とはまるで違う。授業日程も短期間で再調整して計画し直すことになった。 当時について、「学内及び学外の先生へ、配信資料の作成などについて時間を惜しまずに説明した。その結果、Web配信での授業へと急遽変更することについて先生方は理解を示してくださり、『わかった』とやっていただいた。先生方のお力があって授業が出来ているということを改めて実感し、とてもありがたかった。」と話してくれた。 「現在(取材日:令和2年12月8日)は対面授業が出来ているが、コロナ禍は継続中のことで、いつどうなるか分からない。今後も最大限頑張っていきたい。」 まだまだ終わりが見えず、大きな不安が常につきまとう状況ながら、猪浦さんは前を向いている。 開学と同時に入学した学生達は、来年度3年次となり、今度は病院等での臨地実習が本格化していく。実習指導に関する調整は教員が中心に行うが、事務的な調整が必要であれば猪浦さんたち教務・学生課も関わる。崇徳厚生事業団グループ、そして地域との繋がりのなかで猪浦さんが強く意識するのは、今年度末で閉科する長岡看護福祉専門学校看護学科の存在だ。 「忘れてはならないのは、長岡看護福祉専門学校看護学科が地域と信頼関係を築いてきて、我々はそれを引き継がせていただいているということ。学外の先生や実習施設の方たちのご協力があって、何とか専門職養成が出来ている。」 学生と教職員との温かい関係性 長岡崇徳大学では、教員が学業のみならず進路や学生生活全般についてきめ細やかに助言するアドバイザー制や、学生が教員へ相談しやすい時間帯を設定するオフィスアワー制を設けるなど、学生サポートを重視している。学生に寄り添ってサポートする姿勢は、教員だけではなく、猪浦さんたち事務職員も変わらない。 長岡崇徳大学の学生達は、事務職員のことを名前で『猪浦さん』のように呼ぶことが多いそうだ。大学の学生と事務職員とが良好な関係性を構築できている現れではないだろうか。 入学定員80名の看護単科大学ゆえの特性でもあるのだろうが、現在の関係性が作られる背景には、教職員が一丸となって学生を支える取組や、日ごろからのコミュニケーションがある。 「先輩の学生がいないから」と教職員が主体となって行った開学初年度の歓迎会。初めての徳樹祭(大学祭)やサークルの立ち上げサポートなど、やること全てにおいて前例がないなかで、教職員が新しいことを日々試行錯誤し、知恵を出し合い、協力し合って前向きに取り組む雰囲気が自然と作られていった。 また、学生生活をサポートする上では、学生へ注意をしなければならないときもあるが、猪浦さんは「一方的に否定するような言い方はしない」よう心掛けているという。 「入学してきて何も分からないところから、学業に励める環境づくりをしていくのが教務・学生課の仕事。温かく接して前向きになってもらうようにとコミュニケーションしている。」と話す言葉に、猪浦さんの人柄、そして仕事への向き合う姿勢が垣間見えた。 4年という歳月をかけて学生を養成する看護大学の意義の一つには、看護学の関心を深めるとともに、探求し続けるための批判的思考力、創造力および基礎的研究能力などを、時間をかけて養成していくことがあるとのことだ。 崇徳厚生事業団グループが全国に先駆けて実践してきた地域包括ケアシステムにおいては、単一の病院や福祉施設でサービスが完結せず、多種多様な事業所や職種間での連携が不可欠となる。このような地域包括ケアシステムを担う人材として、今、高度な専門知識と探求力・思考力を持ち、自律的に判断出来る看護専門職が求められている。 「街中で、近くにカフェやお店があるキャンパスも魅力的かもしれないけど、ここならば自然に囲まれた落ち着いた環境で、温かい教職員に見守られて、4年間じっくりと学ぶことが出来ると思う。」 愛情ある教職員のもとでじっくりと育てられた学生達が、地域を支える人材として羽ばたく時を心待ちにしたい。 <取材後記> 最後までお読みいただき、ありがとうございます。新しい年を迎え、気持ちも新たにLetter1月号を発行いたしました。 今回はほぼ初めましてのメンバーで取材を行いましたが、同世代が集まると賑やかですね。会話が弾み、あっという間の1時間でした。 日頃、事務室の窓口に立つ猪浦さんは、学生さんの相談に本当に親身になって対応されています。こんなことを言うとご本人はプレッシャーに感じられるかもしれませんが、見習いたいなぁと思うこともしばしば。「温かく接して前向きになってもらうように」という言葉を聞いて、その想いが誰に対しても真摯に向き合う姿に表れているのだと感じました。 開学してまだ間もない長岡崇徳大学ですが、その魅力の1つは「アットホームな雰囲気」です。これからも地域をつなぐ看護力を育むため、教職員が愛情を持って学生さんをサポートしてくれることと思います。 末尾になりましたが、ご協力いただいた皆さま本当にありがとうございました。 次号もお楽しみに! (取材・編集:学校法人悠久崇徳学園 長岡崇徳大学 編集委員、崇徳厚生事業団事務局 石坂 陽之介) ʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔ Twitter、LINE公式アカウントで『崇徳厚生事業団Letter』更新情報を配信しています! フォロー&友達追加をお願いします! Follow @Letter_Sutoku ʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔ -
崇徳厚生事業団Letterロゴデザインコンテストグランプリ受賞者インタビュー(崇徳厚生事業団Letter令和2年号外号)
グランプリ受賞者へ感謝の言葉を伝え、副賞を手渡す田宮崇理事長(写真左)とグランプリを受賞した高橋さん(同右) ロゴデザインコンテスト グランプリ受賞式 崇徳厚生事業団グループの各法人の職員の皆さまより、Letterのロゴを募集する『崇徳厚生事業団Letterロゴデザインコンテスト』を開催しました。 多数のデザイン案のなかから、Letter編集委員会による一次審査、職員投票による二次審査により、田宮病院臨床心理室で臨床心理士として勤務する高橋摩吏(たかはし まり)さんの作品が見事グランプリを受賞しました! 先日行われたグランプリ受賞式では、田宮崇理事長より「このたびはグランプリ受賞おめでとうございます。作っていただいたロゴを活用していきたいと思います。誠にありがとうございました。」と感謝の言葉が伝えられ、副賞として野いちご工房(長岡福祉協会)のお菓子詰め合わせが贈呈されました。 高橋さんが考案したグランプリ受賞作品。約2週間と限られた制作期間ながら、グランプリ受賞も納得のデザイン。 グランプリ受賞者インタビュー ―まずは自己紹介をお願いします。 田宮病院臨床心理室の高橋摩吏です。 出身は新潟市です。新潟青陵大学を卒業後、新潟青陵大学大学院に進み、臨床心理士の資格を取得しました。2019年に入職し、現在は臨床心理士として勤務しています。 普段は心理検査や心理面接、SSTのグループ活動などを通して患者さんと関わっています。 ―絵を描いたり、デザインすることは昔から好きだったのでしょうか? 小さいときから絵を描くことが好きでした。 学生時代は中学・高校と体育祭でパネル係を担当し、大学では施設に設置する看板のデザイン・制作をするボランティアをしていました。趣味として楽しみながらも、何かに活かせないか、誰かのために何か役に立てないかと考えていたと思います。 個人で黙々と趣味に没頭する時間も好きですが、大勢で何かひとつのものを作り上げることも大好きです。様々な人が関わって、自分だけでは思いつかないアイディアを教えてもらい、段々と磨かれていって完成に至る。その過程がワクワクしますし、達成感も大きいです。この感覚は、職場でも忘れずに持っていたいと常々思っています。 ―今回見事グランプリを受賞したロゴデザインに込めた思いを教えてください。 入職後は絵を描くことを趣味に留めていたのですが、臨床心理室の皆さんから「絵を描くことが好きだったよね」「応募してみたら?」とお声がけいただき、今回デザインをすることになりました。 自分の好きなことを覚えてもらっていたことは嬉しかったですし、「期待に応えたい!!」と気合も入りました。 ロゴデザインは、「Letter」というタイトルに合わせて、まるでお手紙のやりとりのように、ほっと心が和らぐようなイメージになるようデザインや色味を意識しました。木から手紙が紙飛行機になって飛んできて、それをキャッチする鳥がいるところがポイントです。 また、崇徳厚生事業団のロゴに使われている緑色・黄色・水色を使うことで、親しみやすく事業団のロゴともリンクしたデザインになるよう工夫しました。 このデザインは、臨床心理室の皆さんに相談し、アイディアをいただきながら作成しました。そのため、私個人のものではなく皆で作り上げたものだと考えています。 気持ちを込めて作ったデザインがグランプリを受賞し、大変嬉しく思います。投票してくださった皆さま、一緒にデザインを考えてくださった臨床心理室の皆さま、本当にありがとうございました。 ʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔ Twitter、LINE公式アカウントで『崇徳厚生事業団Letter』更新情報を配信しています! フォロー&友達追加をお願いします! Follow @Letter_Sutoku ʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔ -
『私の自利利他』vol.2 高齢者総合福祉施設わらび園総務課(崇徳厚生事業団Letter令和2年11月号)
高齢者総合福祉施設わらび園総務課で勤務する土田さん 「苦手な分野やわからないことでも、まずは取り組んでみる」 信濃川の左岸、越路橋のふもとに位置し、「一人ひとりのお年寄りのその人らしい生活を実現するお手伝い」をその使命として掲げるのが高齢者総合福祉施設わらび園である。二児の母でもある土田綾奈(つちだ あやな)さんは、平成30年3月より事務職員としてわらび園で勤務している。 長岡向陵高校、文教大学文学部を卒業後、長岡に戻り、人材派遣会社の営業スタッフ、菓子製造販売会社の事務職員を経て、現職に至る。わらび園への転職は、家庭の都合を優先してのことだったが、これも縁と言うべきだろうか、わらび園で働く土田さんはとても活き活きとして見えた。 土田さんの主な仕事は、購買業務と受付業務である。購買業務は、同じく事務職員として勤務していた前職でも行っていたが、「現場から言われたものを発注すればよかった前職と違い、ここでは自分で製品を選ばなければならないことがある。どんなものがいいのか、どう選んだらいいのかがわからず、最初は戸惑った」という。 また、購買担当としての仕事は発注・納品・支払いに限らない。「パソコンが動かない」、「コピー機が詰まってしまう」といった機器の軽微な不具合の相談は、まずは土田さんに寄せられることが多い。専門家ではない土田さんに出来ることは、とにかく調べることだった。 「昔の自分に比べれば、わからないことでもまずは自分で調べて業務に取り組むようになりました。そこはここに来て変わったところだと感じています。苦手な分野やわからないことでも、まずは取り組んでみること、仕事の範囲を自分で決めないことを心掛けるようになりました。」 得意分野ではないことを求められ、その都度手探りで調べながらなんとか応えていくことは簡単ではないはずだが、土田さんはとても前向きだ。他部署からExcelの表を修正するよう依頼されたときも、使われている関数の意味を勉強するところから始めた。 「今の時代、調べればだいたいのことはわかります。ここで仕事をしなければ学ぶ機会がなかったことを自分で調べることで知識が深まりますし、それで事業所の皆さんのお役に立てているのであれば嬉しいです。そして、事業所の皆さんの手間を省くことで、その時間をケア業務に充ててもらえれば一石二鳥ですよね。」 崇徳厚生事業団グループの共通理念は、「自分や家族、友人が利用したいと思うサービスの提供」である。総務課の職員が利用者へサービスを直接提供することはほとんどないが、利用者へのサービスと無関係なわけではない。総務課の職員が縁の下の力持ちとして支えることで、介護職をはじめとした現場スタッフがより質の高いサービスの提供に力を注ぐことが出来る。そういった意識が、わらび園の総務課では当たり前に共有されているように感じた。 接遇で利用者やご家族に心地よさを感じていただくことで、自分も喜びを感じられる もうひとつ、土田さんが特に心掛けていることが、受付業務における気持ちの良い挨拶と笑顔。つまり、『接遇』だという。 福祉サービスの主役が、直に利用者と接する専門職だとしても、利用者やご家族が最初に接するのは事務職員であることが多い。初めて施設を訪れたとき、最初に対応した職員の印象がそのままその施設の第一印象になる。福祉施設に限らず、どの業界でも言われることではあるが、受付スタッフはまさに施設の「顔」なのだ。 もともと人と話すことは好きで、新卒で営業職を選んだのも、日々たくさんの人に会えると思ったから。新社会人として働きはじめたころ、「人に元気を与える挨拶をしなさい」と指導されたことが心に残っていて、それを今も実践している。 接遇で利用者やご家族に心地良さを感じていただければ、自分も喜びを感じられる。接遇について、「玄関のドアが開いて、すぐに振り向けないことがある」と反省する言葉からは、むしろその意識の高さを感じさせた。 わらび園は長岡市からの委託を受け、越路・小国地域の高齢者福祉に関する総合相談窓口として、『長岡市地域包括支援センターこしじ・おぐに』の事業も行っている。昔ながらの地域のつながりが色濃く残るこの地域では、家族で面倒を見るという意識・責任感が強いがゆえ、福祉サービスの利用に抵抗感を抱いている方もいらっしゃるという。 高齢者福祉サービスを初めて利用するにあたり、ともすれば漠然とした不安を抱えている利用者やご家族にとって、最初に接する職員が土田さんということもあるだろう。そこでの温かい接遇は、利用者やご家族との関係構築を人知れず支えているに違いない。 今後の目標として、「ITパスポート」の取得を目指しているという。他部署からパソコンやインターネットなど情報機器、情報技術に関する連絡や相談が寄せられることが多かったことから、そのたびに単発的に調べるだけではなく、ITに関して体系的に学べるものがないか調べたところ、見つけたのがITパスポートだった。 ITパスポートとは、IT(情報技術)系の資格でありながら、ITを利活用する全ての方を、職種を問わず対象とした国家資格である。資格試験では、ITの知識のみならず、経営戦略やマーケティング、プロジェクトマネジメントなど幅広く出題されるのも特徴だ。 人口減少、労働力不足が今後も益々進展していくなかで、質の高いサービスを持続可能的に提供し続けるには、経営の視点は欠かせない。AI技術、IoTなどの新しい技術を適切に生かし、労働生産性を高めていくのも大きな課題となっている。 「これがまたひとつ自信になるかな」と資格取得へ意欲を語ってくれた土田さん。強い責任感と素直な向上心をお持ちの土田さんであれば、活躍の場は今後もますます拡がっていきそうだ。 <取材後記> まずは今回のLetter制作にあたり、取材にご協力頂いたわらび園職員の皆様に感謝申し上げます。 当初、取材は土田さんのみで行う予定でしたが、「一人では不安…」とのことで当日は佐田事務長も同席されました。取材を進めていく中で「人と関わることが好き」と発言されるだけあって、緊張する状況でも常に笑顔で答えている姿がとても印象的でした。 今後の目標が「ITパスポート」の取得を目指していると発言している土田さんは、とても活き活きとして見えただけでなく、そんな土田さんを隣で微笑ましく見守っていた佐田事務長からも土田さんに対する期待や信頼が窺えたと感じています。そんなお二人から非常に良好な雰囲気の中で仕事に取り組まれていることが伝わってきましたし、今後もわらび園の『顔』として皆さんを優しく出迎えてくれることでしょう。 至らないところもありましたが無事に編集を終えることができました。次号も暖かく見守っていただけると嬉しく思います。(取材・編集:社会福祉法人 長岡老人福祉協会 桃李園 大久保 峻、崇徳厚生事業団事務局 石坂 陽之介) ʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔ Twitter、LINE公式アカウントで『崇徳厚生事業団Letter』更新情報を配信しています! フォロー&友達追加をお願いします! Follow @Letter_Sutoku ʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔ -
『私の自利利他』vol.1 田宮病院第4病棟(崇徳厚生事業団Letter令和2年9月号)
田宮病院第4病棟で看護師として勤務する小見さん(写真左)と大崎さん(同右) 田宮病院の誇り「拘束しない看護」 田宮病院は県内有数の精神科病院として知られる。 精神科というと、うつ病や統合失調症などの精神疾患をイメージする方も多いかもしれないが、看護師の小見里佳子(おみ りかこ)さんと大崎由香梨(おおさき ゆかり)さんが勤務する第4病棟は、認知症専門の治療病棟である。田宮病院第4病棟は、その設立以来「拘束しない看護」という伝統を守ってきたと二人は胸を張る。 小見さん 一般的にはやむを得ず身体拘束するような場合でも、ここでは基本的にしていません。その分、転倒などのリスクが大きくなってしまうので、配慮しながら業務を行っています。点滴抜去しないように手の動きを制限するミトンも身体拘束にあたります。患者さんは点滴のルートが見えると気になってしまうので、見えないように背中からルートを通して点滴したりします。必要な医療行為と説明しても理解いただけない場合も多いなかで、倫理や患者さんの尊厳を大切にすることと、医療安全とを両立できるよう様々な工夫を凝らしています。 大崎さん 「拘束しない看護」はやはり自慢です。同じ対応をしたとしても患者さんによって感じ方や反応が違うので一人ひとりに合った対応が求められます。 認知症の治療病棟と言っても、認知症の進行そのものを止めることは出来ないという。そうであっても、田宮病院第4病棟は患者さんと周囲の人々のために重要な役割を果たしている。 大崎さん 入院される患者さんや、患者さんを支える周囲の人が抱える困りごとは、記憶を保てなくなるという中核症状ではなく、介護抵抗やご家族・他の利用者さんとのトラブルだったり、夜眠れなかったりといった周辺症状なんです。治療のメインは薬物療法でそういった周辺症状を抑えることですが、私たち職員の接し方も大切です。 小見さん 作業療法のなかで、昔のことを思い出しながら行う畳みものや編みものなど、患者さんが落ち着いてできることを見つけたり、患者さんがこういう状態になった時にはこういう対応が良いなどのアドバイスを書いて、退院時にご家族や施設の方にお渡ししています。介護士の方は、食事や排せつ等まで詳細に記載しています。また、ご家族が一生懸命対応されている状況での長期の介護は、ご家族が疲れや限界を感じて介護不能となってしまうこともありますので、その予防のため、ご家族の休養のためのレスパイトケア目的での入院もあります。 「やりたかった看護をしているのがここでした」 小見さんと大崎さんは、田宮病院と同じ崇徳厚生事業団グループの長岡看護福祉専門学校を卒業して看護師となった。田宮病院へ就職した理由として、「看護実習でお世話になった病院のなかで、一番雰囲気がよかった」と声を揃える。 大崎さん 私はもともと「おばあちゃんっ子」でした。お年寄りに寄り添いたいと思って、田宮病院の第4病棟を希望しました。認知症の方は100人100色で、その人その人の色があり、歴史がある。それを大切にしたいと思っています。「認知症だからわからないだろう」ではなくて、飾りつけやイベントを通して季節の移り変わりを感じていただいて、寝たきりの患者さんであれば、朝が来たらカーテンを開けて陽の光を病室に入れて朝を感じていただく。それだけで私は幸せを感じます。認知症であったとしても、患者さんを一人の人間として尊重する。そういう私がやりたかった看護をしているのがここでした。 小見さん 例えば急性期の一般病棟であれば、患者さんという人間よりも疾患そのものにどうしても目が行ってしまう。精神科病院ならば、人と人とのかかわりを強く感じられると思いました。実は私は第4病棟ではない病棟を希望していたのですが、実際に働いてみると、その人を考える、その人を看るという看護の基礎ができるので、自分のやりたい看護が出来ていると感じます。 看護師免許を取得し、晴れて看護師として勤務するようになると、やりたい看護だけできるわけではない現実と、認知症病棟での看護の難しさが身に染みてわかってきたという。しかし、そこにやりがいを感じてもいる。 大崎さん できるだけ患者さんを看てあげていたくても、やらなければならないことが多く、そればかり言っていられないことがわかりました。 小見さん 実習期間中は決められた一人の患者さんと向き合うだけでしたが、就職後は何人も担当し、患者さん対応以外の業務もたくさんある。実際に患者さんに関われる時間が少なくなるのは悩みです。もっと深く関わり、欲を言えば、隣に座ってじっくり話を聞いてあげられたらと思うのですが、「ちょっと待ってね~」、「あとでね~」と言わざるを得ないことも多々あり、ジレンマです。 大崎さん 「うちに帰りたい」と訴える患者さんに「はい、いいですよ」とは言ってあげられないことにも葛藤を感じることがあります。 小見さん 「帰りたい」という気持ちもよくわかる。「自分は病気じゃないのになんでここに居なきゃいけないんだ」という訴えもよくわかるので、帰してあげたいという思いはあるけれど、それは出来ません。退院まで安心して、ここでどう過ごしてもらえるかの対応に悩んでいますが、いまだ良い方法を見つけられずにいます。 大崎さん 帰宅要求への対応も患者さんにより異なるので、関わりを通じて患者さんに納得してもらえたり、拒否されずに介助が行えると達成感ややりがいを感じます。適切な対応は、患者さんの今までの生活背景によっても違うので、とても難しいです。 小見さん その患者さんを看て、考えて生活歴も考慮しながら対応しないとうまくいきません。 大崎さん 患者さんの背景は、ご本人のほか、ご家族やケアマネさんを通じても情報収集を行います。 小見さん 退院支援強化の一環としても活用している「あなたの治療パス」で、ご家族と看護師、介護士、ワーカー等の多職種で現在の状況や今後の方針を話し合う際に、入院前の生活状況や好み等のお話を伺えることも大事な機会です。 大崎さん パスは、入院から退院までどのような経過を辿るかの方向性を決めたり、途中の状態を評価するものです。 小見さん 入院期間は入院時に決まりますが、例えば3か月間の入院として、入院時に評価をして目標を立てます。1か月目ではここまで、2か月目ではここまでと、中間評価にも使用します。退院に向けての計画の記載があり、状況を見ながら目標はその都度変更できます。パスは冊子になっていて、日常生活、食事、排せつ、清潔、移動、夜眠れるか、社会資源等の項目があります。例えば、1か月目でトイレの場所が分からなくて、2か月目になれば分かるかといったら必ずしもそうではないので、誘導する表示を作成したり、部屋をトイレの近くにしたりなどの対応をとる指標にもなります。認知症病棟ではあなたの治療パスⅢ、精神科病棟ではあなたの治療パスⅠ・Ⅱ・Ⅳを使用しています。 大崎さん パスは、ご家族と病院側との認識のズレが生じないように情報共有するツールでもあります。以前はできていたものができていない、できていなかったものができたなども確認できます。患者さんについての情報を共有していないと、ご家族に不信感を与えてしまう場合もあります。 「安心できるような声色や物腰で、患者さんの反応も変わる」 経験を積んできた二人は、若手から中堅へのステップを進んでいる。成長の糧となってきたのは、先輩たちの姿と、そして自身の経験とを見つめてきたことだ。 大崎さん 患者さんの様子を看て、どういう対応、声がけをしたら良いか判断出来るようになったと思います。先輩の対応を見て真似したり、自分の経験から学びました。 小見さん 私も、失敗しながらですが、行動の選択肢が得られたと思います。 大崎さん 今思えば、1年目のころは患者さんへの言葉遣いがあまり良くなかったと反省しています。深く考えないままにフレンドリーに接してしまっていました。 小見さん フランクに話しても良い人もいれば、丁寧な言葉を使ってほしい人もいる。誰にでも同じ対応をしていいわけではありません。親しみ言葉や方言を使うにしても、それは患者さんと自分との関係性が構築されたうえでのこと。全ての職員がそう接してよいとは限りません。 大崎さん 私はとても丁寧に患者さんに接している先輩の姿を見て、それに気づけました。患者さんは人生の大先輩であるということは、常に心に留めています。 小見さん 丁寧な言葉遣いだけではなく、安心できるような柔らかい声色や物腰、大きさなども大事で、それによって患者さんの反応も変わると思います。 大崎さん それと、自分の育児経験を通して、不快なことや自分の気持ちを伝えられない人の気持ちを察してあげることが大切だと気づきました。1~2年目は技術習得や業務を覚えることで精一杯で、患者さんを看れていなかった。 小見さん 上手く伝えられないから認知症問題行動と片付けられがちですが、その行動の原因を解消してあげられれば落ち着いてくれます。例えば、何度も立ち上がろうとするのは、実はお手洗いに行きたいからで、お手洗いに行った後はよく落ち着かれているということもあります。言葉にならないことを体で示されているので、そこを理解してあげられたり、補ってあげられれば良いのではないかと思います。 最後に「精神科病院である田宮病院は、『暗い』というイメージがなかなか払しょくできない。病棟にはスペシャリストの先輩方がたくさんいるので、認知症病棟の活動をもっとアピール出来たら。」と小見さんが話してくれた。話す言葉の奥底に、常に「患者さん第一」があることを感じさせてくれた二人。後輩たちにとっては、二人も「見習うべきスペシャリスト」に違いない。 <取材後記> 成長したと感じることを伺うと、お二人とも「成長、したのかなぁ」と謙遜していました。実は、インタビューを行った日はお二人とも事前打ち合わせだと思って出席されており、前もって何も考えてきていないとおっしゃっていました。しかし、お話を伺っていくと、自分の考えや患者さんの気持ちに寄り添うということ、患者さんへの思いに溢れていて、インタビュー中は何度も涙腺が緩みました。自分も、こういう方たちにお世話になれたらどんなに幸せか、また、患者さんは、思われているということを感じないはずはないと思いました。そして、そんなお二人が「見習いたい」と思える先輩たちがたくさんいるという田宮病院第4病棟は、愛に溢れた職場ではないでしょうか。(取材・編集:医療法人崇徳会 法人事務局経営企画室 瀧澤 真紀子、崇徳厚生事業団事務局 石坂 陽之介) ʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔ Twitter、LINE公式アカウントで『崇徳厚生事業団Letter』更新情報を配信しています! フォロー&友達追加をお願いします! Follow @Letter_Sutoku ʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔʕ•ᴥ•ʔ