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『私の自利利他』vol.2 高齢者総合福祉施設わらび園総務課(崇徳厚生事業団Letter令和2年11月号)

『私の自利利他』vol.2 高齢者総合福祉施設わらび園総務課(崇徳厚生事業団Letter令和2年11月号)

高齢者総合福祉施設わらび園総務課で勤務する土田さん

 

 

 

「苦手な分野やわからないことでも、まずは取り組んでみる」

 

信濃川の左岸、越路橋のふもとに位置し、「一人ひとりのお年寄りのその人らしい生活を実現するお手伝い」をその使命として掲げるのが高齢者総合福祉施設わらび園である。二児の母でもある土田綾奈(つちだ あやな)さんは、平成30年3月より事務職員としてわらび園で勤務している。

 

長岡向陵高校、文教大学文学部を卒業後、長岡に戻り、人材派遣会社の営業スタッフ、菓子製造販売会社の事務職員を経て、現職に至る。わらび園への転職は、家庭の都合を優先してのことだったが、これも縁と言うべきだろうか、わらび園で働く土田さんはとても活き活きとして見えた。

 

 

土田さんの主な仕事は、購買業務と受付業務である。購買業務は、同じく事務職員として勤務していた前職でも行っていたが、「現場から言われたものを発注すればよかった前職と違い、ここでは自分で製品を選ばなければならないことがある。どんなものがいいのか、どう選んだらいいのかがわからず、最初は戸惑った」という。

また、購買担当としての仕事は発注・納品・支払いに限らない。「パソコンが動かない」、「コピー機が詰まってしまう」といった機器の軽微な不具合の相談は、まずは土田さんに寄せられることが多い。専門家ではない土田さんに出来ることは、とにかく調べることだった。

 

「昔の自分に比べれば、わからないことでもまずは自分で調べて業務に取り組むようになりました。そこはここに来て変わったところだと感じています。苦手な分野やわからないことでも、まずは取り組んでみること、仕事の範囲を自分で決めないことを心掛けるようになりました。」

 

得意分野ではないことを求められ、その都度手探りで調べながらなんとか応えていくことは簡単ではないはずだが、土田さんはとても前向きだ。他部署からExcelの表を修正するよう依頼されたときも、使われている関数の意味を勉強するところから始めた。

 

「今の時代、調べればだいたいのことはわかります。ここで仕事をしなければ学ぶ機会がなかったことを自分で調べることで知識が深まりますし、それで事業所の皆さんのお役に立てているのであれば嬉しいです。そして、事業所の皆さんの手間を省くことで、その時間をケア業務に充ててもらえれば一石二鳥ですよね。」

 

 

崇徳厚生事業団グループの共通理念は、「自分や家族、友人が利用したいと思うサービスの提供」である。総務課の職員が利用者へサービスを直接提供することはほとんどないが、利用者へのサービスと無関係なわけではない。総務課の職員が縁の下の力持ちとして支えることで、介護職をはじめとした現場スタッフがより質の高いサービスの提供に力を注ぐことが出来る。そういった意識が、わらび園の総務課では当たり前に共有されているように感じた。

 

 

 

 

接遇で利用者やご家族に心地よさを感じていただくことで、自分も喜びを感じられる

 

もうひとつ、土田さんが特に心掛けていることが、受付業務における気持ちの良い挨拶と笑顔。つまり、『接遇』だという。

福祉サービスの主役が、直に利用者と接する専門職だとしても、利用者やご家族が最初に接するのは事務職員であることが多い。初めて施設を訪れたとき、最初に対応した職員の印象がそのままその施設の第一印象になる。福祉施設に限らず、どの業界でも言われることではあるが、受付スタッフはまさに施設の「顔」なのだ。

 

もともと人と話すことは好きで、新卒で営業職を選んだのも、日々たくさんの人に会えると思ったから。新社会人として働きはじめたころ、「人に元気を与える挨拶をしなさい」と指導されたことが心に残っていて、それを今も実践している。

接遇で利用者やご家族に心地良さを感じていただければ、自分も喜びを感じられる。接遇について、「玄関のドアが開いて、すぐに振り向けないことがある」と反省する言葉からは、むしろその意識の高さを感じさせた。

 

 

わらび園は長岡市からの委託を受け、越路・小国地域の高齢者福祉に関する総合相談窓口として、『長岡市地域包括支援センターこしじ・おぐに』の事業も行っている。昔ながらの地域のつながりが色濃く残るこの地域では、家族で面倒を見るという意識・責任感が強いがゆえ、福祉サービスの利用に抵抗感を抱いている方もいらっしゃるという。

高齢者福祉サービスを初めて利用するにあたり、ともすれば漠然とした不安を抱えている利用者やご家族にとって、最初に接する職員が土田さんということもあるだろう。そこでの温かい接遇は、利用者やご家族との関係構築を人知れず支えているに違いない。

 

 

今後の目標として、「ITパスポート」の取得を目指しているという。他部署からパソコンやインターネットなど情報機器、情報技術に関する連絡や相談が寄せられることが多かったことから、そのたびに単発的に調べるだけではなく、ITに関して体系的に学べるものがないか調べたところ、見つけたのがITパスポートだった。

ITパスポートとは、IT(情報技術)系の資格でありながら、ITを利活用する全ての方を、職種を問わず対象とした国家資格である。資格試験では、ITの知識のみならず、経営戦略やマーケティング、プロジェクトマネジメントなど幅広く出題されるのも特徴だ。

人口減少、労働力不足が今後も益々進展していくなかで、質の高いサービスを持続可能的に提供し続けるには、経営の視点は欠かせない。AI技術、IoTなどの新しい技術を適切に生かし、労働生産性を高めていくのも大きな課題となっている。

「これがまたひとつ自信になるかな」と資格取得へ意欲を語ってくれた土田さん。強い責任感と素直な向上心をお持ちの土田さんであれば、活躍の場は今後もますます拡がっていきそうだ。

 

<取材後記>
まずは今回のLetter制作にあたり、取材にご協力頂いたわらび園職員の皆様に感謝申し上げます。
当初、取材は土田さんのみで行う予定でしたが、「一人では不安…」とのことで当日は佐田事務長も同席されました。取材を進めていく中で「人と関わることが好き」と発言されるだけあって、緊張する状況でも常に笑顔で答えている姿がとても印象的でした。
今後の目標が「ITパスポート」の取得を目指していると発言している土田さんは、とても活き活きとして見えただけでなく、そんな土田さんを隣で微笑ましく見守っていた佐田事務長からも土田さんに対する期待や信頼が窺えたと感じています。そんなお二人から非常に良好な雰囲気の中で仕事に取り組まれていることが伝わってきましたし、今後もわらび園の『顔』として皆さんを優しく出迎えてくれることでしょう。
至らないところもありましたが無事に編集を終えることができました。次号も暖かく見守っていただけると嬉しく思います。(取材・編集:社会福祉法人 長岡老人福祉協会 桃李園 大久保 峻、崇徳厚生事業団事務局 石坂 陽之介)

 

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